『肉奴隷の少女の復讐の炎、呪殺の願掛けに励む女の過去、我が子の首をはねた母の狂乱……。目を背けてはいけない。ここに描かれているのは人間の本性そのものなのだから……』──上村一夫の初期の名作として名高い「怨獄紅」は人間の残酷な本性や情念、因業な罪深さを鋭く描き、その才能を世に知らしめた出世作でもある。同業者だけでなく編集者はもとより、映画監督、音楽アーティスト、小説家に至る様々なクリエイターに衝撃と感銘を与えた、非常に『毒濃度』の高い作品である。