死の影を追って
作品紹介: 夢だ。ただの夢だ。人間など、いるはずがない。声など、聞こえるはずがない。馬鹿げているとは思ったが、忍び泣きがあまりに深刻なので、恩田は大真面目に問い掛けていた。……しくしく、しくしく、しくしく……忍び泣きの裏から、かすかに言葉が聞こえた。優しい、か細い、女の声だった。「……迎えに来て……迎えに来て……迎えに来て……」(「死の影を追って」より) 鬼才・友成純一による電子オリジナル短編集。雑誌「SFアドベンチャー」に3回にわたって掲載された連作短編「死の影を追って」〜「鏡の魔術」〜「黄昏の荒野にて」、その続編「孤島の魔姉妹」(完全未発表作品)など、計7本を収録。巻末には「電子版あとがき」を収録。*泡沫の夢*恐竜のいる風景*お伽の島にて*死の影を追って*鏡の魔術*黄昏の荒野にて*孤島の魔姉妹●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。 ※ 電子書籍の送受信データの容量が大きい場合は、パケット通信料が高額になりますので、パケット定額制サービスのご利用をおすすめします。 |
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