数式はなるべく使わずグラフを多用し、著者によるプロスペクト理論を中心とした行動経済学の約45年の研究を総括。保有効果を説明し、古典的な実験結果を紹介した上で、プロスペクト理論を用いてその解釈を試みる。さらに、市場取引経験の有無が保有効果に与える影響、選択上の不確実性と取引上の不確実性という観点からの解釈、そして繰り返し実験の結果が保有効果に与える影響について論じる。行動経済学にとって不都合な真実から目を背けず、最先端の研究の現状を正直に書き記した本。