やまだ書店からのお知らせ
2024/02/21
2月26日13時頃より15時頃までシステムメンテナンスを実施いたします。

≫詳しくはこちら

少年と少女のアンセム

著者名: 水上サヤカ
作品詳細

その歌声がずっと嫌いだった。天使の歌声に例えられるそれはいつも俺の罪を責め、痛みで息もできなくするのだから……。音楽科高校ピアノ科に通う茅ヶ崎奏(ちがさきかなで)は、学校の歌姫、天原美架(あまはらみか)の清らかな歌声が苦手だ。音大への推薦のために担当教官の密室での「個人指導」を受ける奏は、その後ろめたい秘密を責められているような気持ちになってしまうから。けれどある日、夜の繁華街で中年男と親しげに歩く天原を見かけ、思わず証拠写真を撮ってしまう。こんなことがバレたらおまえは退学だぞと詰め寄る奏に、美架は落ち着いた態度を崩さない。「そうだね。それで茅ヶ崎くんはその写真を掲示板に貼り出すの?」「え」「貼り出さないよね、そうするならわざわざ私を呼び出す必要はないもん。貼り出さない代わりに私に何か要求するんだよね? それはなんなのかなって思って」動転した奏は、なぜか美架に交際を申し込んでしまう。「いいよ、茅ヶ崎くんと付き合う。でも、茅ヶ崎くんがあの夜のことを誰かに話したらおしまいにするね」そう言って頷く美架。二人は奇妙な形で親交を深めていくものの、奏は担当教官の「個人指導」のことをいつまでも打ち明けられない。そんな二人に、ある日事件が降りかかり――

出版社:日本エンタープライズ
話で読む
巻で読む