新進気鋭の写真家・細倉真弓作品。私は父方の祖父の顔をしりません。名前も一度聞いたことがありましたが忘れてしまいました。祖母とは違う名字だったことは覚えています。そして祖母が残した写真に写る幾人かの男性のうちに、自分や父親の面影を見いだしては、そのすべての人が私の祖父であるというような錯覚を覚えるのです。