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2024/02/21
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[30%OFF] 独り舞
私は私。海を渡っても、異なる言語を操っても、何も変わらない。自分自身であること、それが生の苦難の根源なのだ――。心惹かれていた同級生との死別により、幼くして死への想いに取り憑かれ、一方で、性的マイノリティとして、内なる疎外感に苛まれていた迎梅。女子高での密やかな恋、そして運命を暗転させる「災難」の果てに、日本に半ば逃亡のような気持ちで渡った彼女の葛藤と孤独を描く、若き台湾人作家の鮮烈なデビュー作。
[30%OFF] 本物の読書家
書物への耽溺、言葉の探求、読むことへの畏怖。群像新人文学賞受賞作『十七八より』で瞠目のデビューを遂げた、新鋭にして究極の読書家、待望の新刊!表題作のほかに「未熟な同感者」を収録。
[30%OFF] 再起動
「僕」は親友と教団を作ることにした。その名も「リブート(再起動)教」。人格をPCのソフトウェアに見立て、「修行を積めば、不要な機能をオフにして再起動できる」そんな教義だった……。どこか怖ろしくも切ない、一気読みの中編「再起動」。他に自作の相撲ゲームを究めようとする男と架空の力士「高田山」を通して「神」を描くユーモラスな短編「高田山は、勝った」を収録。
[30%OFF] 光とゼラチンのライプチッヒ
卓抜な想像力の果てに広がる燦然たる10の小宇宙! 研ぎ澄まされた日本語。小説を読む愉しみを思い出させてくれる短篇作品集。
[30%OFF] 変身のためのオピウム
芥川賞作家のめくるめく奇妙な万華鏡世界。ギリシア神話の登場人物から22人の女性を選び一人一章をあてて描く連作集。芥川賞作家多和田氏ならではの想像力の限りを尽したタペストリーをお楽しみ下さい。
[30%OFF] 批評の誕生 批評の死
文学批評という行為の可能性を探る評論集。小林秀雄、花田清輝、吉本隆明、江藤淳、蓮實重彦、柄谷行人など戦後を代表する9人の批評家の足跡を俯瞰し、批評の可能性と不可能性を探る野心的評論集。
[30%OFF] 不機嫌な姫とブルックナー団
天才作曲家にして非モテの元祖・ブルックナーオタク3人組との出会いが残念な女子の運命を変える?図書館の非常勤職員・ゆたきは、男性マニアが集うブルックナーのコンサートで「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組に声をかけられる。その一人がサイトに載せた「ブルックナー伝」を読んだゆたきは意外な面白さに引き込まれていく。ブルックナーの不遇に自らの人生を重ねる彼らとつきあう彼女に変化が……。異才の書下ろし小説!
[30%OFF] てんたまおや知らズどっぺるげんげる
文壇妖怪随一の才子で美男。本物の芥川を理想化したかのように、頭も顔もスタイルもオリジナルより上。彼が襲うのは小市民タイプで、芥川の夭折した年齢よりも年上の文士である。「どっぺるげんげるを見たら死ぬ」という俗説に付け込んで最初は本人そっくりの姿で夢に現れ、次第に美男から自殺前の芥川へと風貌を変える。……が、実は純文学を守る妖怪でもある。──(本文より)
[30%OFF] だいにっほん、ろんちくおげれつ記
さらなる闘争の書、発射!! 孤高の作家・笙野頼子の戦いはさらにヒートアップ! ロリリベ、国家に加え二次元評論家まで! 熾烈なバトルを強烈なイメージで描出した闘争の書。グレードアップした第2弾、待望の発射! 無恥のネオリベよ、無策の「左翼」よ、呪われた市場経済に向けて放つ最終兵器「俺」。メタの女王にして純文学の問題児のさらなる十字架!
[30%OFF] だいにっほん、ろりりべしんでけ録
世界市場をこけにして堂々完結、一部マスコミ知識人の面子も割って、祝・三部作!! 近代に大発生! 世界に蔓延した「おんたこ」の正体とは? 笙野の戦いは今日も続く! みなさん、ドイツイデオロギーは間違っているよ。文学は続く。そして哲学の誤適用が世界を誤解させる。ブルデューよ、フォイエルバッハよ、ドゥルーズよ、バブルにも消費されなかった奇跡の観点達が笙野文学に生かされ今、21世紀を救う。
[30%OFF] だいにっほん、おんたこめいわく史
時代を転覆せしめる超国家的、超近代小説、ついに発射 投石! 用意。戦い続ける前衛のさらなる奇書! ロリコンで成り上がり、憲法を地上げ! 美少女を官軍化し遊廓を復活! 反権力を自称。その名は、おんたこ! 世相の病的心性を近未来に託して描く、前衛の奇書。「おんたこ」シリーズ第一弾。●特別収録 本書取説!! 「言語にとって、ブスとはなにか」
[30%OFF] リトル・バイ・リトル
ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父――。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。
[30%OFF] 内部の人間の犯罪 秋山駿評論集
「犯罪」とは――。都市の空虚なビル、そのコンクリートの壁の上に、簡単な1本の線で描かれる「人間」の形である。少年による「理由なき殺人」の嚆矢、小松川女高生殺人事件。犯人の少年の獄中書簡に強く心を衝たれた著者は、動機の周りを低回する世間の言説に抗し、爆発的な自己表現を求めた内部の「私」の犯罪であるとする文学の言葉を屹立させた。他、永山則夫、金嬉老など、犯罪を論じた評論17篇を精選。
[30%OFF] 「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり
日々の暮らしの中で「生」の現実とのかかわりを通じて、人間存在の内奥を探り、ただ純粋に考えてきた言葉で綴られた、ライフワーク長編エッセイ。本書のタイトルにある『「生」の日ばかり』とは、「生」の器を傾けて、日に一滴、二滴の、生の雫を汲むことからつけたもの。日々の探求を綴ったノートのタイトルでもある。2010年10月31日から2013年2月15日の絶筆までを収録。巻末に富岡幸一郎氏による解説を付す。
[30%OFF] ジニのパズル
「日本には、私のような日本生まれの韓国人が通える学校が、二種類あるんだ」――。1998年、テポドンが発射された翌日、チマ・チョゴリ姿で町を歩いていたジニは、警察を名乗る男たちに取り囲まれ……。二つの言語の間で必死に生き抜いた少女が、たった一人で起こした“革命”の物語。全選考委員の絶賛により第59回群像新人文学賞を受賞した、若き才能の圧倒的デビュー作!
[30%OFF] 尻尾と心臓
回り道をしなければ、見えないことがある。仕事にも、人生にも。――未知の経験を求めて経営コンサルタントから転職した笹島彩夏は、社命を帯びて子会社に出向してきた乾紀実彦とともに、新しい営業補助システムの開発に携わる。しかし強烈な個性を持つ社長の岩佐が支配する子会社の中で、余所者の二人は周囲からの反発と見えない壁に翻弄されて……。「会社」という闇の中で、二人が見出したものとは?
[30%OFF] デビュー小説論 新時代を創った作家たち
デビュー小説にはその作家のすべてが詰まっている! 村上龍、村上春樹、笙野頼子、高橋源一郎、山田詠美、多和田葉子、川上弘美、町田康。1970年代〜1990年代に鮮烈なデビューを果たし、新しい日本文学の時代をひらいた8人の人気作家の原点とは。デビュー作を読み解き、当時の背景や意外な評価をまじえて語る、文学案内。
[30%OFF] 日本文学盛衰史
「何をどう書けばいいのか?」近代日本文学の黎明期、使える文体や描くべきテーマを求めて苦悩する作家たち。そして……漱石は鴎外に「たまごっち」をねだり、啄木は伝言ダイヤルにはまり、花袋はアダルトビデオの監督になる!?近代文学史上のスーパースターが総登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。
[30%OFF] ドストエフスキー
同じ言葉でも誰がどんな状況で語るかで、その意味は異なり、ときに正反対に受け取れる。このラズノグラーシエ=異和こそがドストエフスーを読む鍵となる。登場人物は対話の中で絶えず異和と不協和に晒され、そのダイナミズムが読む者を強烈に惹きつけるのだ。批評家バフチンを起点に、しかし著者単独で小説内部に分け入り、文学的核心を精緻に照射する。ドストエフスキー論史の転換点を成す衝撃的論考。
[30%OFF] さして重要でない一日
未知の空間、会社という迷路を彷徨う主人公。トラブル、時間、おしゃべり、女の子、コピー機。著者独特の上品なユーモアの漂う、なにか、もの哀しくも爽やかな空気の残像。会社員の日常を鮮やかに切り取った、野間文芸新人賞受賞作。サラリーマンの恋と噂と人間関係、奇妙で虚しくて、それでも魅力的な「星の見えない夜」も所収。
[30%OFF] ポケットの中のレワニワ
アガタは派遣先で再会した小学校の同級生ティアンに惹かれていく。が、町村桂子という日本名で「統括主任」の肩書きを持つ彼女は、好意を示しつつも「貧乏人同士は付き合えない」と言う。そんな彼女が同じベトナム系の女友達と会ってから様子が変になり、会社まで辞めてしまう。アガタの思いは届くのか?
[30%OFF] 濁った激流にかかる橋
激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
[30%OFF] 愛と癒しと殺人に欠けた小説集
話題短編を集めた珠玉の作品集。「この世に平凡な人なんかいません。近づいてよく見ればみんな変。この世の平凡な真実です。でも近づいて、よく見ることは実は難しい。「近づいて、よく見る」には小説が役立ちます。小説はこの世の真実を映す、歪んでいるのに真正な鏡だから(そうでありますように! )。この小説集に収録されているのは、鏡の6つの破片です。この本は、愛や癒しや殺人を求める人には向きません。」(著者敬白)
[30%OFF] 草のかんむり
カエルにされてしまった僕の哀しい愛の物語。曽祖父のうらみでカエルに変身してしまった僕は、やさしい麦子に助けられた。でもグリム童話みたいに素敵な王子様になれるだろうか? 群像新人文学賞受賞作品。
[30%OFF] 三月生まれ
少年たちの心の揺れをみずみずしく軽やかに描いた作品。淡い初恋、大人の男女間に流れる波紋、出会いそして別れの予感。――ちょうど同じ時間、兄の中子充は安直な片思いの恋に落ちようとしていた。(中略)思いがけず川並由佳が振り返って自分を見ていた。川並由佳が自分の名前を知っていた。知っていたばかりか、彼女の方から中子君と呼びかけてきた。たったこれだけのことで、充の片思いは始まったのだ。――本文より
[30%OFF] キッチン戦争
隠れ家という名のフレンチ・レストラン「Cachette カシェット」。この店のキッチンで働くことになった滝沢葉月は、ある日、オーナーに呼ばれ、料理コンクールへの出場を打診される。戸惑う葉月に、山岸は「女性のシェフが活躍する世界をつくりたい!」という思いを語る。コンクール出場の決意を固めた葉月だが……。自身のルーツ、オリジナルとは何か? 次々に起こる難問に向き合い、葉月の「美味しい闘い」が始まる!
[30%OFF] 飛魂
虎使いとなるため、師とともに人里離れた森の中の寄宿舎で修行を続ける女性達の深遠なる精神の触れ合いを描いた作品。表題作ほか、「盗み読み」「胞子」「裸足の拝観者」「光とゼラチンのライプチッヒ」を収録。
[30%OFF] かかとを失くして 三人関係 文字移植
独特な作風と言語・文化への鋭く繊細な洞察から生まれる多和田ワールドの魅力が横溢する作品集。「かかとを失くして」「三人関係」「文字移植」
[30%OFF] 尼僧とキューピッドの弓
ドイツの田舎町に千年以上も前からある尼僧修道院を訪れた「わたし」は、家庭を離れて第二の人生を送る女性たちの、あまり禁欲的ではないらしい共同生活に興味が尽きない。そんな尼僧たちが噂するのは、わたしが滞在するのを許可してくれた尼僧院長の“駆け落ち”という事件だった――。紫式部文学賞受賞作。
[30%OFF] 十七八より
過去を振り返る時、自分のことを「あの少女」と呼ぶことになる。――叔母との対話、国語教師との秘密めいた関係、少女がつける読書ノート……高校二年生の少女が過ごす初夏の1ヵ月を繊細にして凝縮された文体と仕掛けをめぐらせて描き、「捨ておけない才気」「小説にしかできないやり方で現実と格闘している」「文学にいま必要なものがここにある。」(高橋源一郎氏)等、選考委員に絶賛された群像新人文学賞受賞作!
[30%OFF] 浪華古本屋騒動記
古本屋と一口に言ってもタイプは色々。老舗、新興、ネット古書店。ある者は夢を追い、ある者は借金取りに追われる。商売が厳しくなる一方なのは皆同じ。目指すのは、面白くて金になること。面白くなければ大阪ではない。名物古書店の三代目が古地図を持ち出し、宝探しの号令をかけた。現状打開の一攫千金を狙って、若者、曲者、正直者の古本屋たちがそれぞれの特技を生かして、歴史に目を凝らし知恵を巡らせて動き出す。
[30%OFF] 虹の彼方に
1973年夏、東京拘置所。『カール・マルクス』『ウルトラマン』等、夢見る囚人達と所長『ハンプティ・D』の間で演じられる可笑しくも悲痛な思想劇。『さようなら、ギャングたち』『ジョン・レノン対火星人』と並び著者の原点を示す秀作。
[30%OFF] ジョン・レノン対火星人
住所はなく、消印は「葛飾」、そして差し出し人の名前は、「すばらしい日本の戦争」……名作『さようなら、ギャングたち』に先立つこと1年、闘争、拘置所体験、その後の失語した肉体労働の10年が沸騰点に達し、本書は生まれた。<言葉・革命・セックス>を描きフットワーク抜群、現代文学を牽引する高橋源一郎のラジカル&リリカルな原質がきらめく幻のデビュー作。
[30%OFF] ゴーストバスターズ 冒険小説
謎のゴーストを探し求めてアメリカ横断の旅に出るブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。そしてBA-SHOとSO-RAもアメリカを旅し、「俳句鉄道888」で、失踪した叔父を探すドン・キホーテの姪と巡り合う。東京の空を飛ぶ「正義の味方」超人マン・タカハシは、ついにゴーストからの呼び出しを受ける……。隠されたゴーストの正体とは? 時空を超え、夢と現を超え、疾走する冒険小説。
[30%OFF] さようなら、ギャングたち
詩人の「わたし」と恋人の「S・B(ソング・ブック)」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。
[30%OFF] 献灯使
大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に。大きな反響を呼んだ表題作のほか、震災後文学の頂点とも言える全5編を収録。
[30%OFF] あの子が欲しい
新人採用プロジェクトを完遂せよ。アラフォーの川俣志帆子はそのチームリーダーに突如指名された。ネットの裏工作や学生との心理戦を制し、成果を上げるが、なぜか心は満たされない。同居する男には惑わされ、猫カフェの猫ザビーだけが癒やし。このままでいいの? 独身女性の働く辛さをリアルに描く!
[30%OFF] 書きたいのに書けない人のための文章教室
「書けない」悩み、解決します!「書くことがみつからない」「どう書けばいいか分からない」「文章がまとまらない」…評論家・教育者として30年来活躍する文章指導の達人が、様々な「書けない理由」を解きほぐし、解決法を伝授します。豊富な文例を交えながら「自分らしい文章」を書くコツと歓びを伝える、大人のための文章入門。
[30%OFF] 折口信夫
日本の知の結晶ともいうべき折口信夫。文学、民俗学のみならず、その広大なる表現領域は他の者を圧巻し、全貌を掴むことが不可能とされてきた。そこに、切り込んだ安藤礼二の『折口信夫』。この本を読めば折口の全体像がわかり、この本を読まずして折口を語るなかれと、後世の評価を受けることは確実である。起源・言語・古代・祝祭・乞食・天皇・神・宇宙と題された章──これを追うだけで心が打ち震えるではないか。
[30%OFF] ファンタズマゴーリア
ミラーワールドの少年マルテは、とんぼ玉に導かれて三つの世界を巡る。姿が変わっていても、時が経っていても、愛する人と再び会うことはできるのか――?  世界と時空を超える想いを壮大なスケールで描いた、著者の新境地を開く大冒険譚!
[30%OFF] 殺人出産
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。
[30%OFF] 未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の
第67回野間文芸賞受賞作。2013年2月、突然の高熱と激痛に襲われた作家は膠原病の一種、「混合性結合組織病」と診断される。不治、希少、専門医にも予測が難しいその病状……。劇薬の副作用、周囲からの誤解、深まる孤立感。だが長年苦しんできたこの「持病」ゆえの、生き難さは創作の源だった。それと知らないままに病と「同病二人」で生き、書き続けた半生をここに――。
[30%OFF] 吾輩ハ猫ニナル
「最後の選考の機会にこれほどの候補作と出会えたことは僥倖だったと言える」阿部和重氏、「馬鹿馬鹿しくも可笑しい結末の、『感動の物語』を嘲笑う姿勢も頼もしい」奥泉光氏、「創造性と批評精神にみちた作品である。漱石先生も大吃一燎(びっくり仰天)だろう」辻原登氏。――選考委員激賞&絶賛の群像新人賞当選作。「面白い小説」そして「優れた批評」を一度に堪能できる、本年度イチオシのニュースな文学です!
[30%OFF] ある日の結婚
ありふれた男女の恋愛がたどる奇想天外な展開と衝撃のラスト。「ある日の結婚」は群像2013年7月号に掲載され、各紙文芸時評でも高く評価された傑作です。恋愛の究極」を淡々とユーモラスに描いて恐ろしくも美しい、一度読んだら忘れられない表題作ほか、デビュー作「朝が止まる」、フジテレビ「世にも奇妙な物語 2013年秋の特別編」で映像化され話題を呼んだ短編「水を預かる」を収録する、注目の第一作品集。
[30%OFF] 場所と産霊 近代日本思想史
世界は多元的であるがゆえに一つである。われわれの思考、言葉と表現の生まれた場所とは!? 近代思想史を斬新に塗りかえる画期的論考。
[30%OFF] 光の曼陀羅 日本文学論
埴谷雄高、稲垣足穂、南方熊楠、江戸川乱歩、中井英夫ら、「死者たちのための文学」を紡ぐ表現者の連なりを描き出す第一部「宇宙的なるものの系譜」。折口信夫の謎めく作品『死者の書』と関連資料を綿密に読み込み、物語の核心と新たな折口像を刺戟的に呈示する第二部「光の曼陀羅」。『死者の書』を起点に、特異な文学者の稜線を照射する気宇壮大な評論集。大江健三郎賞、伊藤整文学賞受賞。
[30%OFF] 柳田国男と近代文学
「常民」の月並みな日常を、〈近代リアリズム〉を超える柳田の視線がどう捉えたか。柳田民俗学の最深部を照らし出し、その本質を問い直した傑作長篇評論。ゆるぎない分厚い伝統として、また、当たり前な自然さとして、われわれ日本人が受けとめている日本語の表象空間とは、いったいどのようなものなのか。それを内側から照らし出してみる必要を感じた著者は、その対象に柳田国男を選んだ――。
[30%OFF] 悪文の初志
現実の歪み、ある極限を描くに「悪文」は力を発揮する。大江健三郎、大西巨人、中上健次、椎名麟三、永山則夫等の小説にみる必然と衝迫を解明した気鋭の評論集。
[30%OFF] 金を払うから素手で殴らせてくれないか?
「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?
[30%OFF] マウス
私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。(講談社文庫)
[30%OFF] 授乳
受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「――ねえ、ゲームしようよ」。表題作他2編。(講談社文庫)
[30%OFF] 文学のプログラム
<書くこと>でいかに<戦争>と拮抗しうるのか――。小林秀雄、坂口安吾、保田與重郎の戦時下における著述を丹念に辿ることで、時局に追従する言説と彼らとの距離を明らかにし、保田の『万葉集の精神』を起点に、日本文を成立せしめた「訓読」というプログラムの分析へと遡行する。気鋭の批評家による<日本イデオロギー>の根底を撃つ画期的試み。群像新人文学賞受賞作を収めた第1評論集。
[30%OFF] 神々の闘争 折口信夫論
折口学成立の起源と秘密に迫る本格的論考! 柳田國男と折口信夫の対立の根源を台湾の「蛮族調査報告」を初めて読み解きながら明らかにし折口学の世界的普遍性を論じる力作。「群像」新人文学賞優秀作収録。
[30%OFF] 少年殺人者考
少年たちは、少年ゆえに、罪を犯した。少年たちは、なぜ人を殺したのか? 李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!
[30%OFF] 憂鬱なハスビーン
東大卒、有名企業に就職し、弁護士の夫を持つ29歳の私。結婚して仕事は辞めたけれど、優しい夫と安定した生活がある。なのになぜこんなに腹が立つんだろう? ある日再会した、かつて神童と呼ばれた同級生。その話に動揺した私は、まだ自分に何かを期待しているのだろうか。(講談社文庫)
[30%OFF] 犬婿入り
多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)
[30%OFF] ボルドーの義兄
小説の見たことのないカタチ。夏の間、レネの義兄モーリスの家を借りるため、優奈はハンブルグからボルドーへ向かう。優奈は漢字を1文字ずつ記す。同時に起こりすぎるたくさんの出来事を記録するために。言語・記憶・意味・イメージの狭間にたゆたい躓きながら、優奈の夏はたくさんの断章になる。
[30%OFF] 旅をする裸の眼
ベトナムの女子高生の「わたし」は、講演をするために訪れた東ベルリンで知り合った青年に、西ドイツ・ボーフムに連れ去られる。サイゴンに戻ろうと乗り込んだ列車でパリに着いてしまい、スクリーンの中で出会った女優に、「あなた」と話しかけるようになる――。様々な境界の上を皮膚感覚で辿る長編小説。(講談社文庫)
[30%OFF] ゴットハルト鉄道
“ゴット(神)ハルト(硬い)は、わたしという粘膜に炎症を起こさせた”ヨーロッパの中央に横たわる巨大な山塊ゴットハルト。暗く長いトンネルの旅を“聖人のお腹”を通り抜ける陶酔と感じる「わたし」の微妙な身体感覚を詩的メタファーを秘めた文体で描く表題作他2篇。日独両言語で創作する著者は、国・文明・性など既成の領域を軽々と越境、変幻する言葉のマジックが奔放な詩的イメージを紡ぎ出す。
[30%OFF] ドン・キホーテの「論争」
マスコミVS「純文学」。最前衛の文学的レジスタンス、それは極私的言語の戦闘的保持! 「私はピエロじゃない。私はドン・キホーテ。」はじめに──純文学作家はなぜ怒ったのか
[30%OFF] 居場所もなかった
気にいっていた住居を追い立てられて新しい部屋を捜すことになった独身女性作家の「私」。オートロック付きの部屋に固執する「私」と不動産屋との間には奇妙で不毛なやりとりが重なり、真剣になればなるほどズレが生じる。そのおかしみを描く怒りと涙の住い捜しの奮戦記。表題作に短編「背中の穴」を併録。(講談社文庫)
[30%OFF] 極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集
群像新人賞「極楽」を含む最初期の作品三篇。地獄絵を描くことを人生の究極の目的とした男の心象を追求した「極楽」、現実からの脱出を願う七歳の子供の話「大祭」、初期の代表作「皇帝」。著者の原点三篇を収録。(講談社文芸文庫)
[30%OFF] 幽界森娘異聞
彼女、彼女、この故人のこの活字の世界での名をいきなり「森娘」と命名する。本名森茉莉をそのまま使わないのは、私の描いているこの故人が、どう考えても本物の森茉莉とはずれた人物だから。鴎外と志けの娘、では決してないから。私が知っている森娘は、……「贅沢貧乏」という1冊の本の中に住まった1体の妖怪だ。私という作家の雑念と思い違いがそこにこごった、活字の怪でしかない。「作家は死んだ時その本の中に転生する」
[30%OFF] なにもしてない
“ナニモシテナイ”幸福な私を脅かすのは?生きていることのリアリティを希求して、現実と幻想の世界を往還するモノロ−グの世界を描いた野間文芸新人賞受賞の表題作を含む2編を収録する第一小説集。(講談社文庫)
[30%OFF] 星が吸う水
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。表題作他一篇。(講談社文庫)
[30%OFF] スリリングな女たち
「スリリング」で目が離せない6人の女性作家。それぞれの特質を、最新作を中心に抽出してゆく。第一章 鹿島田真希と論理のエチュード第二章 本谷有希子の「荒事」的表現第三章 綿矢りさと消費社会の神話第四章 金原ひとみの「私」曼荼羅第五章 島本理生と「私」の進化第六章 柴崎友香と映像的人間の夢
[30%OFF] 小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神
荒神様!荒神様! 猫が死ぬのが怖くて小説が書けません!荒神様は日本中を巡行して、小さな建て売り住宅のわが家に来た。わが家では老猫が進行性の痴呆症にかかり、その看病で私は心身ともに限界だった。もしも猫が死んだら、私はどうやって生きていけばいいのか。ダンジョン――空想上の洞窟――内で荒神様と猫と私の共生が始まる。
[30%OFF] 増殖商店街 【復☆電書】
「復☆電書」企画にて、電子書籍で復刊! 現実と幻想の中に飛翔する「言葉」の真髄。夢の中で買い物に行った商店街はどんどん増殖、いろんな顔を見せて無名作家の「私」を楽しませる表題作。他に、飼い猫の失踪事件を描いた短篇など四篇を収録。収録作品「増殖商店街」「こんな仕事はこれで終りにする」「生きているのかでででのでんでん虫よ」「虎の襖を、ってはならなに」「柘榴の底」。(1995年10月刊)電子版のみ『あとがき小説「ようこそ」』も特別収録!
[30%OFF] 泡をたたき割る人魚は
その島は、右半分は観光や漁業で栄え、左半分は沼地が広がり寂れていた。薫は左半分に住み、栄養飲料の配達をしている。絵描きの瀬戸や魚屋の村井と仲がよい。ある日、願いを叶えてくれるという老女のもとへ行き、「魚になりたい」と告げる。老女は薫の脚と、配達に使っていた原チャリと引き換えに、薫を人魚にしてくれた。うれしくて泳ぎまわる薫。海にもぐって島の右半分に顔を出した薫に、新しい出逢いが待っていた。
[30%OFF] 架空列車
他者との関係を作ることができず、会社も辞めた「僕」は、ひとり東北の町に逃げる。そこで「僕」は、架空の鉄道路線を妄想の中で造ることに熱中する。緻密な計算と実地見聞を繰りかえし、理想の鉄道が出来上がったとき、思いもよらぬ出来事が町を襲う……。
[30%OFF] 雲をつかむ話
犯人と出遭った心躍る話は、みんなに話してきかせたくなる。エルベ川沿いの家を訪ねてきた背の高い男。ブレーメン出身の「鱒男」。路面電車で見た双子の片割れ。本名で呼ぶことのできない「マボロシさん」……。雲を見ていると「互い違い」な出遭いの数々が浮かんでくる。野間文芸賞受賞後第一作、待望の長編小説。
[30%OFF] 会社員とは何者か? 会社員小説をめぐって
果たして会社員は小説の主要な登場人物になりえるのか? 著者はこんな命題を抱え、会社員が主人公の古今の小説に切り込んでいきます。取り上げられるのは、源氏鶏太、山口瞳、庄野潤三、黒井千次、坂上弘、絲山秋子、長嶋有、津村記久子、カフカ、メルヴィル……。そこから見えてくるのは、自明なものとして受けとめられている「会社員」という言葉・存在に潜む謎だった。いったい、会社員とは何者なのか?
[30%OFF] BANG! BANG! BANG!
幼なじみのばんちゃんを失い、口も心も閉ざした俺。いつからか、クラスの“裏掲示板”に、そんな俺への悪意が投稿され始める。そんなある日、掲示板に突如、謎のメッセージが投稿される。<Bくんのことは悲しいじこで誰のせきにんでもない>。……一体、誰が? その日を境に、死んだばんちゃんと裏掲示板を巡る意外な事実が少しずつ明らかになってゆくのだが――。
[30%OFF] 「生」の日ばかり
今日という一日が在る。それは大切なものだ。ということは、分かる。しかし、「一日」とは、果たして何であるのか、と問うと、何も分からなくなってくる。老いる、とは、子供時代の生を味わい直せ、ということだ。私の言葉は、問題を創り出すためにあるのだ。理解したり、解釈したり、要するに、現実を水で割って薄めるための言葉ではない。いい人間は、ときに、「いい気な奴」を、子供として連れて歩いている。――〈本文より〉
[30%OFF] 啼く鳥の
『三匹の蟹』で「群像新人賞」「芥川賞」両賞を受賞し、戦後日本文学史の中でも異例の衝撃的デビューをした大庭みな子の、作家活動20年の頂点を示す、深い人間理解と鋭い人生凝視の力作『啼く鳥の』。野間文芸賞受賞。
[30%OFF] 海を感じる時・水平線上にて
《海は暗く深い女たちの血にみちている。私は身体の一部として海を感じている。……》 年上の男子生徒とのセックスの体験を鋭利な感覚で捉えて、身体の芯が震える程の鮮烈な感銘を与えた秀作。作家の出発を告げた群像新人賞受賞「海を感じる時」と、大学生となった、その後の性意識と体験を描き深めた野間文芸新人賞「水平線上にて」。力作2篇収録。
[30%OFF] やすらかに今はねむり給え/道
昭和20年5月から原爆投下の8月9日までの日々――長崎の兵器工場に動員された女学生たちの苛酷な青春。一瞬の光にのまれ、理不尽に消えてしまった〈生〉記録をたずね事実を基に、綿密に綴った被爆体験。谷崎潤一郎賞受賞作「やすらかに今はねむり給え」のほか恩師・友人たちの最期を鮮烈に描いた「道」を収録。鎮魂の思いをこめた林京子の原点。
[30%OFF] 地上生活者
日本の植民地時代、樺太・真岡町まで流転していった一朝鮮人家族。愚哲は国民学校5年生のときに皇国少年として日本の敗戦を迎えるが、ソ連の侵攻後、一家はユダヤ人の協力を得て辛くもサハリンを脱出する。一族離散のこの体験と歴史の非情は、愚哲少年にはかり知れぬ罪意識を植えつける。在日朝鮮人としての自己形成がうまくいかぬこの未成年者と朝鮮戦争の勃発。戦後日本の、欺瞞と忘却の中で生きる愚哲の希望とは何か。